7000アプリを開発してきた知見を、1ヶ月で学べた。
株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー
本社|東京都新宿区西新宿3-19-2
設立|1999年4月1日
社員|約12,800名(2024年4月現在)
業種|通信 インターネット関連
事業|電気通信及び情報通信等に関する事業
HP |https://www.ntt-me.co.jp/
▼イントロダクション
東京都新宿区に本社を置く、株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME)。NTT東日本グループにおいて、通信設備やネットワークの構築・管理・監視を担当。東日本エリアを東京、神奈川、千葉、関信越、東北、北海道の6ブロックにわけ、24時間365日、通信インフラを見守っています。
また、NTT-MEは東日本エリアの企業や自治体にICTソリューションを提供。Microsoft365やRPA、kintoneの利活用、アプリ構築支援なども手がけています。2024年、kintoneアプリ開発を担う人材を急ピッチで育てるために、エン・ジャパン[DXリスキリング]の「kintone研修」を導入されました。
千葉ブロック統括本部 デジタル改革PTの芹澤様
今回、「エン・ジャパンDXリスキリング 」導入部署である千葉ブロック統括本部 デジタル改革PTの芹澤様にお話をうかがいました。エン・ジャパンのkintone研修受講後、社内でのkintoneアプリ開発や自治体のkintone支援が活発になっているそう。「以前感じていたハードルの高さがなくなり、みんな積極的になっています」と語ってくださいました。
▼事業上の課題|kintone研修が必要な理由は?
「自治体からのkintone開発依頼が急増したのです」と芹澤様。同社はMicrosoft365がメインツールで、PowerAppsをフル活用。そのうえでRPAやkintoneの知見を蓄積し、地域の企業や自治体をご支援されていました。
一方、千葉ブロック統括本部がカバーする千葉や茨城の自治体から「kintone開発を支援してほしい」という声が急増していました。「特に小規模自治体はMicrosoft365の全庁導入は難しく、kintone+オプション製品のほうが導入しやすいのです」と芹澤様。
NTT東日本グループはkintone支援を掲げており、NTT-ME全社でkintone支援体制を拡充しています。その想定以上のスピードで千葉や茨城の自治体からニーズが生まれていた。千葉ブロックとしても「kintone開発者育成」が急務だったのです。
▼導入の決め手|エン・ジャパンに決めた理由とは?
「エンさんは大規模組織でkintoneを本気で活用し、JavaScriptを使わず、アプリと人材を量産しています。7000アプリ開発の実績が決め手でした」と芹澤様。「私たちが育てたかったのは自治体案件でkintone開発ができる人材です。JavaScriptは使わず、kintoneの基本機能やトヨクモ製品を組みわせてアプリを開発する。実務に直結した研修を求めており、そのニーズにエンさんがフィットしました」。
研修がオーダメイドである点にも魅力に感じられたそう。今回はkintone基礎研修のあとに実践研修をご用意。自治体案件の例題を出し、実際にアプリを開発し、エンから模範解答を示す「反復練習」をカリキュラムに組み込みました。「kintone研修は社内でも一部ありますが話を聞くスタイル。実際に手を動かすから理解が進む。実践型が心強かったです」と芹澤様は語ってくださいました。
▼具体的な支援|kintoneとトヨクモ製品の基礎+実践研修
・エン・ジャパン[DXリスキリング]で「kintone基礎+実践研修」をご提供。
・エン・ジャパンで内製し、社内外で100名超が受講した研修。(全体像は以下)
・基礎研修は対面で2日間実施し、その後、オンラインで課題を出しています。
・受講者は16名。研修専用ゲストスペースでコミュニケーションを取りました。
研修カリキュラムの全体像
▼サービス内容|エン・ジャパンの研修を受けた率直な感想は?
「kintoneへの心理的なハードルがなくなりました」と芹澤様。「社内でPowerAppsに触れてノーコード開発は理解しています。それでもkintoneの経験が浅く、どうつながっているのかイメージがわかない部分がありました」と語ってくださいました。
「自治体案件ではkintoneに加えて、市民向けWebフォームとしてフォームブリッジ(トヨクモ製品)を使います。両者を使ったアプリ開発でひたすら手を動かすことで理解が進んだ。『怖くなくなった』という印象です」。
今回の研修受講者は16名。遠方からの参加者もいたため、kintone基礎研修は2日間に集中。「通常業務から離れてkintone学習に集中してほしい」というNTT-MEのみなさんのご希望で、対面実施となりました。リアル開催だからこそ受講者同士で教えあったり、研修講師であるエン・ジャパン側にもたくさんご質問いただいたり、コミュニケーションも活発に交わされました。
実際の研修風景。kintoneのプロセス管理を解説中。
▼実際の研修内容|研修資料や質疑応答の様子
・研修で利用した教材アプリの構成
・主要ツールの理解を深めるグループディスカッション
・最終回のふり返り(オンライン実施)
▼導入後の成果|研修直後から行動変容が見られる。
同社では2024年6月末に2日間の対面研修を実施。その後、約1ヶ月間、kintoneアプリの課題にオンラインでチャレンジ。kintone+トヨクモ製品(フォームブリッジ、kViewer)に触れ、実際に自分の手でアプリを構築していただきました。
── 何もわからない状態から、kintone開発の流れをつかめた。kintoneのデータベースは、視覚的にわかりやすい。アプリの構成を考える手順や、お客様のレベルにどう合わせるべきかなどアプリ構築以外の部分も勉強になった。
── kintoneでの承認フロー(プロセス管理)やフォームブリッジ、kViewerを実体験し、「Webページのようにも使える」と理解できた。これらを組み合わせれば、相手のニーズに答えるシステムを生み出せると発見できた。
── 世の中に万能なツールはない。Excelは「万能のように見える」だけで負荷をかけすぎるとデータ破損もあると理解した。「できるできない」以外に「向き不向き」の軸があるなど、身近な例にたとえてもらい非常にわかりやすかった。
▼具体的な変化|参加者の行動はどう変わったのか?
今回のkintone研修では受講者1名あたりアプリを12個、フォームブリッジを使ったWebフォームを4個、kViewerを使ったWebページを4個、構築していただきました。合計16名参加されたので、実際に生み出されたアプリ数は192個に上る計算になります。
「単にkintoneの操作を学ぶ以上に、大事な学びが多かったです」と芹澤様。「たとえば、ベースとなる『マスターデータ』や『キーコード』の重要性、アプリを使うユーザーのことを考え抜く『デザイン思考』の視点などです。いずれも、ノーコード開発を自習する人がつまずくポイントです。kintoneアプリを構築しながら『考え方』を一緒に学ぶことができ、新人の習熟にかかる期間をぐっと短縮できました」。
「学習用のkintone環境をご準備いただけたのも、ありがたかったです」と芹澤様。「本番環境では自由にプラグイン等を実験できません。今回、エンさんはkintoneやトヨクモ製品で遊ぶための環境と、その題材(kintoneアプリの例題)を整えてくださって。受講者は楽しみながらアプリ開発に取り組めましたね」。
▼今後への展望|リスキリングを通じて見えてきた未来。
「kintoneでできること、逆にExcelが得意なこともフラットに理解できました」と芹澤様。
研修内ではグループディスカッションも実施。kintone、Excel、RPA、生成AIというDXツールを比較し、『万能なツールはあるのか?』というお題をみなさんで議論していただきました。kintoneや生成AIの限界を知り、道具を使いわけられるようになったそうです。
今後の展望については「社内外でkintoneの利活用を増やしていきたい」と芹澤様は語ってくださいました。「研修内では自治体でのkintone最新利用状況も教えていただきました。アプリ開発の実体験とあわせて、自治体向けの提案に活かしているメンバーがでています。この流れを加速したいです。『実案件』があると学習がさらに進みます。その意味では、社内でもkintoneを活用した業務改善案件も掘り起こしていきたいですね」。
研修全体をふり返り、「自学自習ではここまで人は育たなかったと思います」と芹澤様。「通常業務もあるなかでメンバーの自習に委ねると、つい『後回し』になってしまう。今回の対面研修は時間が拘束されるので集中して取り組めました。また、その後、アプリ開発課題も週2回ほど社内受講者で集まって『もくもく開発会』をやりました。わからないことを話し合ったり、エンさんの模範解答を見て語り合ったり。社員同士の交流やネットワーキングの機会にもなりましたね」。
人間は未知のものに不安や恐れを抱くものです。今回は一人ではなく、kintoneを一緒に学ぶ仲間とたくさんアプリを作ることで理解が深まり、自信も芽生えたとのこと。集合研修の意義を実感したインタビューとなりました。
公開日:2024年10月8日