「IT ツール導入は手段」だと本当の意味で理解できた
伯東株式会社
本社|東京都新宿区新宿 1-1-13
設立|昭和 28 年 11 月 7 日
社員|682 名
業種|技術商社、工業薬品メーカー
事業|電子デバイスの卸、工業薬品の製造販売など
▼イントロダクション
東京都新宿区に本社を置く、伯東株式会社。1953 年にブラジル産の水晶原石の輸入・販売を手がけたことから設立され、現在はエレクトロニクス関連商品を取り扱う専門商社と、工業薬品メーカーとしての二つの顔を持ち事業展開しています。
同社法務部では、2022年からリーガルテックツールの導入検討を開始。2023年6月に「エン・ジャパンDXリスキリング (ツール選定のコンサルティング)」を導入されました。2か月でコンサルティングを終了。その後、具体的な導入ツールが決まり、12月に現場リリースへ。
導入部署であるビジネス法務グループを統括している甲斐様
今回、「エン・ジャパンDXリスキリング 」導入部署である法務部ビジネス法務グループを統括している甲斐様(グループ長)にお話をうかがいました。
現在(2023年9月インタビュー時点)は、12月現場リリースの導入ツールの準備中。
「手元が固まったので、中長期的にやっていきたいことも検討が進められそうです」と語ってくださいました。
▼事業上の課題|業務改善ツールが必要な理由は?
「業務改善のためのツール選定が難航していました」と甲斐様。2020年、同社では法務部門がグループ格から部格に強化。法務業務のブラッシュアップを進めていました。特に課題感があったのが事業部からの契約書チェック依頼でした。「メールを使って業務を進めていました。リアルタイムに案件管理ができず、非効率な部分が多いと感じていました。個人のメールボックスにノウハウが溜まっていき、全体の利益になっていないことも課題だと思っていました」。
そしてちょうど同じ頃、『法務DX』や『リーガルテック』といったバズワードが生まれ、法務界隈全体が変わり始めてもいました。同社法務部でも2022年から業務改善のためのリーガルテックツール選定をスタート。1年以上いろいろなツールを調査したり、リーガルテック系企業とも10社以上話を聞いてみたりしたものの「壮大な調査リストができたがどれもなにかが足りなかったのです」と語る甲斐様。「今思えば、リーガルテックなどといったバズワードに翻弄され、焦っていたように思いますね」。
▼導入の決め手|エン・ジャパンに決めた理由とは?
「まさに渡りに船でした」と甲斐様。「たまたま参加したリーガルテック系のイベントにエン・ジャパンさんが登壇していたのです。法務目線の登壇内容がほとんどのなか、エン・ジャパンさんは事業部目線からの業務改善事例で唯一無二だと感じました。話を聞いて法務専用ツールに固執する必要はなく、まずは業務の効率化が必要だと気づけたのです」。
エン・ジャパンは、事業部内の営業の業務効率化のためにリーガルテックを導入し、実際に成果も出ていました。「私自身、法務はサービス業だと思っています。事業部の期待に応えられる組織でありたい。実際に事業部側から改善を進め、成果がでているエン・ジャパンさんのノウハウを学ぼうと考え、発注を決めました」。
▼具体的な支援|ツール選定コンサルティング
・エン・ジャパン[DXリスキリング]では「ツール選定コンサルティング」をご提供。
・2ヶ月間、隔週定例会議をやりながらプロジェクト推進を支援。
・具体的には「業務整理と一般的なツール紹介」。
実際のコンサルティング中の様子
▼サービス内容|コンサルティングを受けての率直な感想は?
「とても良い機会でした。自分たちの業務のコアや価値、目指す姿を言語化することができました」と甲斐様は語ってくださいました。
「自分たちの業務を振り返る、というのは簡単なようで難しい。大事なことなのにあえて考える機会がないとやりません。客観視するというのも難しいものです。第三者に入ってもらうことで要点をおさえて業務の棚卸しができました。自分たちが大事だと思っていることを条件に落としてツール選定の軸にする。これができたことが価値だと思っています」と甲斐様。
本プロジェクトでは同社の甲斐様、宮林様、中須磨様の3名が参加されました。
「最初はコンサルティングで出される課題に手が止まってしまう状態でした。でも教えてもらった方法をむりやり取り込んで実践するようにしてみたら『なぜこの宿題をしているのか』も気づけるようになりました」と中須磨様。「なんでいままでやってこなかったんだろうと。そのくらいたくさん学びがありました」と宮林様。
参加いただいた宮林様と中須磨様
▼実際の成果物|コンサルティング時の資料
◎コンサルティングでは業務改善の考え方、業務整理、ツール選定という流れで進めました。
◎ツール選定に関して、同社(法務部)で専門ツール(リーガルテック)を調査済みでした。
そのため、同社導入済みのMicrosoft365や、汎用的なkintoneとkintone関連サービス(FormBridge、メールワイズ)、問い合わせ管理ツール(formrun)などをご紹介しました。
・コンサルティング当時の資料
・業務整理の際に使用した図
・システム導入パターン例
▼導入後の成果|支援開始から3ヶ月でツール決定
「言語化とメンバーの成長が成果だと考えています」と甲斐様。
「頭の中の業務フローが『フロー図』となり、あいまいな悩みは『課題』としてリストアップできました。図式化・言語化されたことで検討の土台ができた。そこから『ツール選定のMust条件とBetter条件の切り分け』『自分たちの身の丈にあったツール選定』などのメソッドを取り込むことができました」
「先ほどお話した通り、『業務がメールに依存していること』に対して最初は課題感がありました。でも事業部からしてみたらメールはとても使いやすい。メール依存がなぜ起こるのか?それは悪いことなのか?コンサルティングを通じて改めて考え、整理し、言語化することができました。言語化できたことでツール選定の判断軸を作れたのが成果ですね」
「またコンサルティングを通じてメンバーの成長を感じられたのも成果のひとつです。回数を重ねるのと比例して、メンバーが自分の意見をしっかり発言してくれるようになっていきました。その意見を聞いていると、それぞれが目指すところは一緒だと感じられてうれしかったですね」
▼具体的な変化|メンバーや組織がどう変わったのか?
同社の「定量的な変化」では、判断のスピードアップができたそうです。
同社では2023年6月から2ヶ月間、エン・ジャパン[DXリスキリング](ツール選定コンサルティング)を利用。その後、本格的なツール選定がスタートしています。「現在(2023年9月インタビュー時点)は、リーガルテックツールも決定し、12月から稼働予定です」と語る甲斐様。
「エン・ジャパン[DXリスキリング]を受けて『ツール導入は手段』だと本当の意味で理解できたので、まずはExcelなど手元にあるツールでやっていこうと思っていました。そのような中、たまたま自分たちにピッタリのリーガルテックツールを見つけて導入を決めたのです。自分たちのやりたいことが明確になっていたのでツールを見た時に『これで十分』とすぐに判断できました」。
また、「エンさんから頂いた資料を役員向けのツール導入プレゼンでも使用させてもらいました。第三者目線での意見が説得力を増してくれました。こちらの準備もスピードアップできましたし、役員も判断しやすかったのでは、と思います」と宮林様。
▼今後への展望|リスキリングを通じて見えてきた未来。
「ツール導入によって業務が可視化される予定です。そうなったらもっと改善が進む予感があります」と甲斐様は笑顔で語ってくださいました。
「エン・ジャパン[DXリスキリング]で業務改善のやり方も分かりましたし、自分たちの業務の価値も理解できました。あとはどんどん進めていくだけです。中長期的にはナレッジマネジメントもやっていきたいと思っています」。
また、エン・ジャパン[DXリスキリング]に参加した中須磨様も、今後を具体的にイメージできるそう。
「今までは同じグループ内でも周りがなにをしているのか見えにくく、なかなかコミュニケーションが取れませんでした。でも今後はお互いの学びをお互いが活用していけるイメージがあります」。
まさに、業務改善の考え方が同社のノウハウとして根付き、さまざまな改善に使われている。その広がりを実感したインタビューとなりました。
公開日:2023年12月22日