株式会社エクセディ物流
本社|大阪府寝屋川市木田元宮1丁目30番1号
設立|1975年10月1日
社員|212名(2024年3月31日現在)
業種|物流
事業|貨物利用運送業、製鋼原料販売業、構内業務請負業
HP |https://exl.exedy.com/
大阪府寝屋川市に本社を置く、株式会社エクセディ物流。親会社は株式会社エクセディ(東証プライム市場上場のグローバル企業)です。エクセディグループは関連会社52社、連結従業員数 1万4000人以上で構成されており、その物流機能を担っているのがエクセディ物流になります。
同社は「データドリブン経営」を目指して、kintoneを導入し、操作研修を進めていました。思った成果が出ず、「まずデータや業務可視化の理解が必要だ」と判断。教育教材を探す中で、エン・ジャパン主催のkintoneユーザー交流会「CHALLenGERs」に参加。エン・ジャパンの研修が自社課題と合致し、2024年にエン・ジャパン[DXリスキリング]の「DX基礎研修」を導入されました。
導入部署でシステムエンジニアをされている有田様
今回、エン・ジャパン[DXリスキリング]導入部署である本社物流センター 人事総務グループの有田様にお話をうかがいました。有田様は社内のkintone推進も担当されています。現在(2025年2月インタビュー時点)では、会社全体の業務可視化が一歩ずつ進んでいるそう。「研修で学んだことが共通言語になっていますね」と語ってくださいました。
「kintoneでの業務改善やデータ活用を進める中で、社員のデータ理解や業務フロー理解の壁に直面しました」と有田様。
同社では2022年に現社長の福田様が着任し、データドリブン経営を掲げました。物流業界の「勘、コツ、度胸」のアナログ判断から脱却し、データに基づく合理的な判断で経営を進める。ノーコードツール「kintone」の導入もデータ蓄積のためです。
有田様の推進でkintone活用事例が増え、アプリ開発者も生まれていきました。ただkintone開発者は「ツール操作」の感覚で、「データを考える」視点がないと気づかれました。業務が分業化されており、前工程と後工程を俯瞰して「業務とデータの流れを見る」という感覚を持っている方が少ない。そのため「データを取り扱う概念」や、「業務可視化の技術」をインプットする研修を探されていたのです。
「kintoneの前にデータ理解と業務可視化が必要という思想が、私たちと合致していました」と有田様。
2024年9月、エン・ジャパン主催のkintoneユーザー交流会に有田様がご参加。エン・ジャパンの研修導入企業(名古屋本社のIT企業)の体験談を聞き、「これだ!」と感じられたそう。DXはデータが重要であり、データ整備には「データが生まれ、蓄積される業務フロー」を見直す必要がある。この思想が自社課題と合致していたとのこと。
実際にエン・ジャパンから説明を聞いて魅力に感じたのが「インプットだけではない」「フィードバックがある」という2点だったそうです。「聞いて終わりでは受講者の行動が変わりません。研修内にアウトプットするワークあり、ここに対して講師からフィードバックがある。この構造に安心感を覚え、導入企業の満足度も踏まえ、発注を決めました」。
・エン・ジャパン[DXリスキリング]では「DX基礎研修」をご提供。
・エン・ジャパンで内製し、社内で300名超が受講した研修です。(全体像は以下参照)
・1回90分(講義60分+質疑応答30分)を全4回、週1回、約4週間実施しました。
・今回の受講者は合計17名。オンラインで全国をつないでご参加いただきました。
全4回の研修の全体構成。基礎研修の3回と、実践ワークの最終回という構成です。
「期待通りでした」と有田様。「私たちが『教えたい』『ここをベースに考えてほしい』という内容と一致していました」と語ってくださいました。
「今回は全国をつなぎ、各拠点の管理職に参加してもらいました。オンライン研修だったので、参加者の集中力や理解度の不安が一定ありました。蓋を開けてみると、毎回の研修ごとに個人ワークと発表があり、強制的に学んだことや自分の考えをアウトプットする仕組みになっていました。『聞いて終わり』ではない点が期待通りで、この構成がよかったです」。
今回の研修受講者は合計17名。オンライン形式(Zoom)で大阪や三重、北海道など日本全国の拠点からご参加いただきました。「知識もですが意識が変わった」「DXを難しく考えすぎていた」「無意識に心にブレーキをかけていたことに気づけた」といった感想もいただけたそう。全4回(4日間)にわけて実施したことで講師との接点も増えて、オンラインながら距離感も近くなり、アンケートにも本音の質問や相談が増えていきました。
有田様も、他の受講者と一緒に研修にご参加いただきました。
・オンライン研修の様子
・各研修の終了時のふり返り
・エン・ジャパンの改革事例や裏話(苦労話)もご紹介
同社では2024年11月下旬から12月下旬まで4週間、エン・ジャパン[DXリスキリング] (DX基礎研修)をご利用いただきました。合計4回の研修では、各回が終わるたびに以下のように「学び」「仕事に活かすこと」をふり返り、学びの定着を促進しました。
── DXは「ペーパーレスに基づく情報の見える化」で終わりと思ってました。「継続的な事業変革」と理解し、目からウロコの思いでした。野球やサッカーの例え話もあり、わかりやすかったです。変革のためにデータ蓄積が大事。まずkintoneを使いこなします。
── いきなり業務フロー図を作成しようとしていましたが、まずはExcel等で表形式で整理するだけで進めやすくなる。はじめやすく、前向きに取り組めそうです。業務フローに固執しない。可視化の目的に立ち返り、作成・編集をラクにする視点も大切にしたい。
── 最後は全3回を踏まえた実践ワークで、良い復習になりました。データ活用の本質、業務フロー作成、業務改革、実践(DXを考える)と順番に学んできたことで、本質的な考え方と手法が理解できました。エンさんの体験談や苦労話も参考になりました。
同社の「定量的な変化」では、業務を可視化した資料(ドキュメント)が着実に増えてきたそう。「これまで社内業務は可視化されておらず、断片的な資料やマニュアルがあるぐらいでした」と有田様は語ってくださいました。
「詳細な業務フローは現場社員や管理職の『頭の中』にあるだけ。これでは改善が進みません。一方、業務フロー作成は手間がかかる。難航していました。エン・ジャパンさんの研修で『簡易業務フロー図』の作り方を教わり、この粒度なら現場管理職も作成できます。参考となるフロー図を1つ作り、それを参考に各部署で業務可視化やフロー図作成を一歩ずつ進めています」。
今回の研修には福田社長を含め、経営層のみなさんもご参加いただきました。「社長はデータの重要性や可視化の手順は理解しています。参加目的は『教えている内容を把握したい』というものでした。研修を体験し、また受講者の様子やアンケートを見て『自分が知ってほしいと思っていたことが現場にレクチャーされている』と安心していましたね」と有田様。研修で過ごした時間や研修教材が、同社経営層と管理職のみなさんの「共通言語」になりつつあるとのことでした。
「ここからが本番です。歩みを止めず、やり続けることが大事です」と有田様は笑顔で語ってくださいました。「研修直後は充実感があり、通常業務では得られないスパイス(刺激)があります。ただ、本当に業務変革や業務可視化のスキルを身につけるには復習と実践が必要です。意図的に機会をつくり、DX人材育成の活動を積み重ねていきたい」とのこと。
研修内で印象に残ったのが「企業の競争力に必要なのがDX」という説明だったそうです。「高橋さんが研修中に『長篠の戦い』を例に説明されていました。戦い(企業間競争)の武器が『銃(デジタル)』に変わるなか、自社も武器を変えなければ勝負に勝てない。研修に参加した管理職のメンバーも『DXの意義が正しく理解できた』とアンケートに答えていました。企業としての競争力獲得を目標に、DXの取り組みを続けたい」と語る有田様。
また、全4回の研修には福田社長もご参加されていました。「DXには挑戦(チャレンジ)が大事である。大きな成果(インパクト)を出すには、積み上げではなく、高い目標を掲げ逆算思考(バックキャスティング)で取り組む必要がある。研修参加メンバーと一緒に挑戦したい」とアンケートに答えてくださっていました。
今回、経営層と管理職、DX推進部門や人事部門のみなさんが一緒に研修に参加。「同じ時間」を過ごすことで、DXの理解とステップの共通言語が醸成されています。今回の研修は単なる知識習得ではなく、組織の考えをひとつにし、アップデートする活動にもなったそうです。
kintoneなどでの「ノーコード開発」の前に、業務を見直す必要ある。データを正しく理解し、業務フローを可視化し、チャレンジングな目標を掲げ、果敢に挑む。DX人材に求められる「基礎スキル」の重要性を再認識したインタビューとなりました。
公開日:2025年5月21日