社長と社員が共に学び、現場DXが一気に進んだ。

 大伸ダイス工業株式会社

本社|大阪府大阪市平野区加美北7-7-10

設立|1965年(昭和40年)2月  

社員|25名(2023年4月時点)

業種|製造業(超硬精密加工) 

事業|各種金型・部品製作、機械加工全般 

HP   https://daishindaisu.co.jp/

▼イントロダクション

大阪府大阪市に本社を置く、大伸ダイス工業株式会社。創業は昭和40年(1965年)。半世紀以上の歴史を誇り、金型の製造会社として日本のモノづくりを支えています。特に同社は「超硬合金」という加工の難しい材料を「超精密加工」することが強みであり、独自技術を持つ町工場になります。


2023年、同社では「営業力強化」のため顧客管理システムの検討を開始。外資系の大手SFAや国内の老舗CRMなどを検討する中で、2023年5月に「エン・ジャパンDXリスキリング (kintone顧客管理アプリ導入+エン・ジャパンの伴走支援)」を導入されました。2ヶ月でアプリ構築を終えて、現場検証後、2023年8月に現場リリースへ。

2018年、27歳で創業者の後を継いだ川島様

今回、「エン・ジャパンDXリスキリング 」導入部署である営業グループを統括している代表の川島様にお話をうかがいました。現在(2023年9月インタビュー時点)では、本社である大阪、新たに進出した東京、両拠点でkintoneでの顧客管理が着実に進んでいるとのこと。「東京進出に遅れることなく、スピーディーにスタートできました」と語ってくださいました。

▼事業上の課題|顧客管理システムが必要な理由は?

「将来(2027年)の売上計画を考えた時、顧客管理の仕組みが必要だと感じていました」と川島様。前職のカーディーラーでは最年少で役職者へ。営業経験を積み、2018年に大伸ダイス工業の代表に就任。コロナ禍を乗り越え、売上を着実に伸ばされてきました。


「現在の『自社製造のビジネス』だけだと、工場の生産量が売上のネックになる。他社製品を販売する商社機能を持てば、工場の課題が解決できます。販路も本社のある大阪だけでなく、東京まで広げたい。そう考えると顧客管理の仕組みが必要でした」と語る川島様。


事業課題の解決に向けて、川島様が自ら顧客管理システムを探索。国内外の有名CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)の話を聞き、実際に画面を見てみても「ここまで高機能なものが必要か?」という疑問が消えず、「ピンとこなかった」という状況だったそうです。

▼導入の決め手|エン・ジャパンに決めた理由とは? 

「エンさんには中途採用をずっと支援してもらっています」と川島様。「求人広告『エン転職』経由の中途入社者が活躍しており、採用支援ツール『engage(エンゲージ)』も利用しています。エンさんはどの営業担当もしっかりしていて、安心感しかなかったです。顧客管理でkintoneをちょうど調べはじめていた時、リスキリングのご案内をもらいました」。


シンプルで汎用性が高いこと。ここがエン・ジャパン[DXリスキリング]やkintoneでの顧客管理システム構築の話を聞いて、川島様が魅力を感じられたポイントとのことでした。


「他の顧客管理システムは、高額で高機能、画面も複雑でした。kintoneはシンプルで、これなら自分たちでも作れると感じました。営業1名あたり月1500円で、顧客管理以外のアプリも作り放題。会社全体のカイゼンのために導入したい。アプリ開発者を一気に増やすなら『kintoneに詳しいプロ』に頼もうと考えました」。

▼具体的な支援|伴走型育成コンサルティング+kintone顧客管理パッケージ

エン・ジャパン[DXリスキリング]では「kintoneアプリ構築支援」をご提供。

・2ヶ月間、毎週定例会議をやりながらプロジェクト推進を支援。

・具体的には「解決すべき課題の明確化→システム要件定義→システム構築」。

・短期集中のため「顧客管理(顧客情報の蓄積)」にフォーカス。

実際のコンサルティング中の様子

▼サービス内容|コンサルティングを受けての率直な感想は?

参加いただいた白石 

「私と社員4名で参加し、業務改善やkintoneを基礎から学べました。1人あたりの研修費と捉えるとコンサルフィーは安いと感じました」と川島様は語ってくださいました。


「私と一緒に参加したのは営業や製造の現場メンバー。kintoneを知らない真っ白の状態でした。エンさんのリスキリングは『初心者用セミナー』を自社向けにオーダーメイドでやってもらった感覚です。現場メンバーが、業務改善やkintone開発に一歩踏み込む、そのハードルをぐっと下げることができたと思います」と川島様。

「独学でやるより、スピード感も違いました。顧客管理アプリだけなら、私が独学でkintoneを学んでつくるという選択肢もありました。でも、会社にはさまざまな課題があり、kintoneで便利にできるものがたくさんある。私が習熟してから社員に教えるのでは時間がかかってしまいます。今回、エンさんという『外部のプロ』を招くなら、全員に参加してもらったほうがいい。そう考え、私を含め合計5名で一緒に学びました。」と川島様。

参加いただいた坪内 

▼実際の成果物|kintoneの製品画像

・コンサルティング当時のアプリ概要図

スペース

顧客管理アプリ

▼導入後の成果|支援開始から2ヶ月でアプリ構築

同社では2023年5月から2ヶ月間、エン・ジャパン[DXリスキリング](伴走開発支援)を利用。プロトタイプとなるアプリが完成してから、入力項目を微調整し、企業情報や人物情報を入力し、2023年8月から「kintoneでの顧客管理」がスタートしています。


「現在(2023年9月インタビュー時点)は、顧客管理の項目を増やしたり、減らしたり、ブラッシュアップしながらひたすら情報を入力していっています」と語る川島様。


「顧客管理アプリを実際使いはじめてから『あれが足りない』『これも必要』と気づくことも多いです。kintoneなら自分たちでカスタマイズできますし、当社はリスキリングの参加メンバーが全員kintoneを触れます。営業グループ会議で顧客管理について議論し、そこで出た意見を主要メンバー2名が実装する。2週間単位で改善が回り続けています」。

▼具体的な変化|現場や営業がどう変わったのか?

まず本プロジェクトの目的だった「全社の顧客情報を一元管理」が実現できたとのこと。500社以上の企業情報がkintoneに蓄積され、企業情報に紐づいて行動ログや売上情報などが日々記録されています。営業日報も含めて、すべてkintone化できたそうです。


「kintoneにログインして最初に開くポータル画面に、売上推移のグラフを表示しました。営業を売上だけで管理すると窮屈になります。一方で、適度な緊張感は欠かせません。売上推移をグラフで可視化することで、営業グループ全体で現状を理解し、行動できるようになりました」と川島様。


また、営業に関する情報がkintone上にまとまることで、営業組織のコミュニケーションが活性化したという。


「kintone内に企業ごとの接点を記録する『行動ログアプリ』と、その日の営業活動を報告する『営業日報アプリ』があります。この2つを連動させています。営業責任者として日報を見るだけで、『このお客さんとこういう会話をしているんだ』とわかり、すぐアドバイスができます。遠隔で働く東京メンバーもそうです。マネジメントの基盤が整いました」。

▼今後への展望|リスキリングを通じて見えてきた未来。

「営業の日常業務と、kintoneアプリの改修がちゃんと両輪で回っていますね」と川島様は笑顔で語ってくださいました。


「kintone導入前に調べていた著名なSFAは項目が多く、高機能でした。はじめて顧客管理に挑むビギナーには、ハードルが高かった。kintoneはシンプルで、項目も自分たちで必要なものだけに絞れます。営業現場は日々忙しいですが、その中でもちゃんと入力できていますし、必要なアプリ改修も現場メンバーが営業の合間にできています。


リスキリングサービスを受けた後、新たなアプリも生まれました。営業担当から業務担当に社内発注する『業務依頼申請アプリ』です。営業生産性を上げるため分業化を進めており、ここを支えるアプリもゼロから構築しました。kintoneをフル活用しています」。


また、営業側のkintoneアプリは現場メンバーに任せ、川島様は経営者として必要なアプリ開発を進められているとのこと。


「代表である私や、役員側で管理するアプリです。まずは従業員マスターとなるアプリをつくり、緊急連絡先などの社員情報をまとめています。kintoneの場合、履歴書(PDF)など添付資料も一緒に保管できるのが便利ですね。必要なときに、すべての情報を一度に確認できるように、kintoneアプリ開発を進めています」と語る川島様。


「今は人事評価アプリを構想中です。昇給、賞与などの情報をどう蓄積するか。すべてkintoneにするか、Excelと併用するか。kintoneはいくらでも作り直せるので、悩みつつ試行錯誤しています。『経営に必要な仕組みづくり』に集中できるのも、顧客管理などのアプリ開発を現場に任せられるからです」とのこと。経営と現場、それぞれが必要な仕組みを、自分たちの手でつくりあげる環境ができつつあるそう。


まさに、kintoneが同社のアプリ開発基盤として根付き、事業成長のためのカイゼンに使われている。その広がりを実感したインタビューとなりました。

公開日:2023年12月22日