Excel顧客管理からの脱却。第一歩を踏み出せた。

株式会社遠興 

本社|静岡県掛川市横須賀1409-2

設立|昭和17年4月20日

社員|100名

業種|包装、樹脂加工、医療、地場産業

事業|包装資材と産業資材の製造販売他

HP   |https://enkoh.co.jp/about/

▼イントロダクション

静岡県掛川市に本社を置く、株式会社遠興。創業1942年、半世紀以上の歴史を誇ります。「樹脂加工分野」「医療介護分野」「包装資材分野」「地場産業分野」という、異なる4つの事業を展開。地域に密着し、「ひと」「もの」「まち」に真に貢献できるサービスを生み出し続けてきました。


 2022年、同社では営業強化のため顧客管理システム導入を検討開始。様々なパッケージシステム、導入支援企業を検討するなかで、2023年2月に「エン・ジャパンDXリスキリング(kintone顧客管理アプリ導入+エン・ジャパンの伴走支援)」を導入されました。2ヶ月でアプリ構築を終えて、現場検証後、2023年6月に現場リリースへ。

導入部署である営業部を統括している中川様

今回、「エン・ジャパンDXリスキリング」導入部署である営業部を統括している中川様(取締役兼営業部長)にお話をうかがいました。


現在(2023年7月インタビュー時点)では、営業メンバーがkintoneに日々、情報入力をされているとのこと。「毎日kintoneを見ており、kintoneで現場のがんばりが見られるのがうれしい」と語ってくださいました 。

▼事業上の課題|顧客管理システムが必要な理由は? 

「Excelでの顧客管理が限界を迎えていました」と中川様。同社は全国に営業所等が8拠点あり、顧客管理は拠点ごとのExcelファイルで管理していました。本来は会社の共通財産である「顧客情報」を全社横断で見ることができず、営業管理ができない状況でした。

 

一番解決したかったのが「機会損失(チャンスロス)」。同社商品は消耗品が多く、顧客から定期的にリピート発注をいただくことが大事でした。「リピート受注のタイミングは拠点ごとの個別Excel、または営業メンバーの頭の中にしかなかったのです」と語る中川様。

 

こうした営業課題を解決するため、中川様を中心に2022年初頭から顧客管理ツール導入の検討をスタート。外資系SFAツールや、大手CRMツールなどを調べ、実際にデモ画面等もさわり、検証するものの、「決め手にかける」という状況だったとのこと。

▼導入の決め手|エン・ジャパンに決めた理由とは? 

「もともとエン・ジャパンさんとはお付き合いがありました」と中川様。「求人広告『エン転職』で取引があり、採用支援ツール『engage(エンゲージ)』も利用しています。エン・ジャパンという会社自体に信頼感がありました。エン・ジャパンの新規サービスとして営業支援やシステム構築支援があると聞き、一度、話を聞いてみようと思ったのです」。


ミニマムスタートができること。ここがエン・ジャパン[DXリスキリング]やkintoneでの顧客管理システム構築の話を聞いて、中川様が魅力を感じられたポイントとのことでした。


「エン・ジャパンさんの『kintone顧客管理パッケージ』はシンプルでした。不要な項目は削ることができて、自分たちが入れたい機能だけを入れることができると感じました。また、営業担当の吉久さんがオープンに『できること』『できないこと』を語ってくださった。信頼できると感じ、発注を決めました」。

▼具体的な支援|伴走型育成コンサルティング+kintone顧客管理パッケージ

エン・ジャパン[DXリスキリング]では「kintoneアプリ構築支援」をご提供。

・2ヶ月間、毎週定例会議をやりながらプロジェクト推進を支援。

・具体的には「解決すべき課題の明確化→システム要件定義→システム構築」。

・短期集中のため「顧客管理(営業の行動管理)」にフォーカス。

実際のコンサルティング中の様子

▼サービス内容|コンサルティングを受けての率直な感想は?

「期待通りでした。不満は特にありませんし、もっとこうしてほしかった、ということもありません」と中川様は語ってくださいました。


「営業のときと同様、伴走支援中もコンサルタントの高橋さんが『できること』『できないこと』を隠さず回答してくれて。弊社側の課題や要望に対して、現実的な解決策を提示して伴走してくれました。事業や営業という観点で議論でき、また、参加したメンバーの自主性が伸びるように適度に手を離してサポートしてくれたのもよかったですね」と中川様。

本プロジェクトでは同社の営業1名、事務1名、合計2名が「kintone開発者候補」として参加されていました。「弊社ではRPAなど他のツールも入れています。そうしたツールの導入支援と比較しても、エン・ジャパンのレクチャーは『非常にわかりやすかった』と2人も話しています。kintoneのアカウント発行の注意点から、アプリ完成後の現場説明会の実施方法まで、網羅的にレクチャーしてもらえて安心でした」と中川様。

参加いただいた永田様と鈴木様 

▼実際の成果物|kintoneの製品画面

・コンサルティング当時のアプリ概要図

スペース

案件管理アプリ

▼導入後の成果|支援開始から2ヶ月でアプリ構築

同社では2023年2月から2ヶ月間、エン・ジャパン[DXリスキリング](伴走開発支援)を利用。その後、社内での顧客データの整備とインポート、営業部門でのトライアルや説明会などを経て、2023年6月から「kintoneでの顧客管理」がスタートしています。


「現在(2023年7月インタビュー時点)は、顧客管理アプリをリリースしたところ。確実に、第一歩目を踏み出すことができました」と語る中川様。


「これまで顧客管理や営業管理など、課題の粒度が大きく、どこから解決すべきかわからない状態でした。kintoneにデータがたまることで、現状が可視化され、また課題を分解して解決策を見つけられるようになりました。営業改革は一朝一夕にできるものではなく、一歩一歩、歩みを進めていく必要がある。必要な『土台』をkintoneで構築できましたね」。

▼具体的な変化|現場や営業がどう変わったのか?

同社の「定量的な変化」では、全社の顧客情報が一元管理されたとのこと。日々の営業報告がkintoneに入力され、すでに200以上の案件、2000以上の行動ログが蓄積され、日々増え続けているとのこと。結果的に別管理していた営業日報をなくすことができたそうです。


営業管理は各拠点で試行錯誤している段階ではあるものの、「kintoneのデータを見ながら営業拠点長が営業メンバーに指示を出したり、逆にメンバーから『昨日、kintoneで報告した件について』と拠点長に入ったり、kintoneが営業現場のコミュニケーションの起点になりつつあります」と中川様。


また、エン・ジャパン[DXリスキリング]でkintone開発レクチャーを受けた人材2名にも変化があったという。


「kintoneアプリが作れるようになったのはもちろんですが、メンバーの『主体性』が伸びました。『他にもkintoneでこういうことをやりたい』と、自ら提案してくれるようになりました。営業1名、営業事務1名と、両方とも『現場を知っている人材』です。そこに業務改善やkintoneの知見が入ったことで、地に足の着いた改善が進みそうです」。

▼今後への展望|リスキリングを通じて見えてきた未来。

「ある意味、逃げ道がなくなり、『やるしかない』と覚悟が決まりました」と中川様は笑顔で語ってくださいました。


エン・ジャパンDXリスキリングを受ける前は、業務改善でうまいかないことをツールのせいにしてしまうことがありました。多くのパッケージ製品は、自分たちで自由に改造できないからです。それなら、自分たちでいじれるツールを入れればいい。今回、自分たちで作り上げていくkintoneを導入したことで言い訳ができなくなった。もうやるしかありません。


kintoneの顧客管理アプリのリリース後、さまざまな改善点が見つかっています。そもそも『どこまで営業の行動を管理するか?』など、営業プロセスも絡む話です。検討することはたくさんありますし、先は長いですが、確実に前進していけると感じています」。


また、エン・ジャパン[DXリスキリング]に参加した営業の永田様、事務の鈴木様は新たなアプリもリリースしたとのこと。


「営業用の受注残アプリです。基幹システムのデータを抽出し、営業が日々使うkintone上で受注残を把握できるようにしました。また、弊社は名刺管理でEight Teamを利用しています。2023年6月にEight Teamとkintoneが自動連携可能になったと知り、すぐに問い合わせて設定しました」と語る永田様。最近は営業以外のカイゼンにも着手されているそう。


「実は、総務部門が勤怠管理で困っていました。残業や有休の申請を取りまとめたいけれど、それが難しい。『kintoneなら管理できますよ』と私たちから提案して、kintoneアプリをリリースしました」とのこと。総務側とアプリ開発は今も続いており、株主名簿アプリや株式管理アプリなども生まれているそう。


まさに、kintoneが同社のアプリ開発基盤として根付き、さまざまなカイゼンに使われている。その広がりを実感したインタビューとなりました。

公開日:2023年12月22日